本日は書評です。
先日、本屋に立ち寄った際に、なんとなく目に入ったのが「話のおもしろい人の法則」という本です。
僕はあまりおもしろい事を言えないタイプなので、話がおもしろい人って素直に尊敬するんですよね。
ブログを書きはじめてからも、おもしろい言い回しの文章を書ける人は羨ましく思うことが多いです。
この本が気になったのも、そういう事を感じていたからなのでしょう。
今日は、そんな僕が、この本を読んで気になった箇所について感想を書いていきたいと思います。
明石家さんまさんに学ぶ、話がおもしろい人の法則
本から引用
話をおもしろくするためには、自分の意見を言う必要はあまりないこと。さんまさんは、自分自身がおもしろい話をする以上に、相手からおもしろい話を引き出すことでおもしろいと言われています。自分の話はさほどせずに、ただ相手の意見を引き出して、それに賛同することで場を盛り上げているわけです。
自分の意見を言う必要はない。これ、目から鱗でした。
特にさんまさんに関しては、とにかく「喋り続ける」というイメージがあったのですが、確かに言われてみると、「踊るさんま御殿」などの番組では自分のことはあまり話していないですね。ゲストの話にのっかって、それを盛り上げてる感じ。
面白い事を言うのって、なにか気のきいた事を言うとか、例えが奇抜だったりとか、そんなイメージだったのですが、根っこの部分は確かに「相手に賛同すること」なんですよね。話に乗っかり続けて、広げて、面白くしていく。昔は常に意識していたのですが、いつからか意識していなくなってたんですね^^;
自分の意見ではなく、一般論でとっかかりをつくれ
本から引用
さんまさんは自分の意見を述べない代わりに、一般論を提示することでたくみに摩擦をさけています。「よく、◯◯なことってあるやんか。」というパターンです。自分の意見や経験を押し付けるのではなく、「あるある」のような一般論を述べることで、相手が次に「何を話せばいいのか」をたくみに誘導しているのです。自分の意見が求められる場面というのは、極めて限定されているものです。普段はできる限り相手の意見を引き出し、それに反応することをう優先して下さい。
こちらも、さんまさんの話。
言われてみると、これは上手いテクニックですね。
一般論なのであれば、それに対して反対だっとしても、会話している人同士では摩擦が起きません。人と人がぶつかる時って、意見が合わない時です。自分はこうだ、っていうのを相手に押し付けることで摩擦が起きます。
自分の意見を言ってしまうと、相手が必ずしもそれに合わせてくれるとも限りません。でも、相手に話してもらえば、それに合わせるかどうかは自分ですから、自分の意思で乗っかっていくことができます。
うん、これは本当に知っていると使えるテクニックかもしれない。
会話が続く人、続かない人の法則
本から引用
韻を踏んだり、ダジャレを取り入れたりしてみる。ただしマニアックすぎるものには走らず、みんなが知っている共通言語にとどめておくのが無難です。そうしないと、知らない人が白けてしまいます。
これもそのとおりだなぁ。
変に狙ったりすると、誰も知らないような事を言ってしまう時があります。せっかくボケても、それがマニアックなものなら、みんなは「???」となって終わってしまいます。
これを極めると、ダチョウ倶楽部とかになるのですかね。誰もが分かりやすい、そして誰もが真似しやすい、場合によっては番組参加者全員でできるような笑いを提供していますよね。
ベタでも、みんなで楽しめたほうがいい。プロの芸人ならいざしらず、素人が常におもしろい事は言えませんので、そういう路線でいくのほうが会話は楽しくなりそうですね。
会話が続く人は自分の話をする、続かない人は会社の話をする
本から引用
ビジネスにおいてありがちな、話し方のまずい例があります。自分の話ではなく、会社の話ばかりをするパターンです。ビジネスにおいて、まず紹介しなければならないのは自分自身です。
僕は営業職ではないのですが、これもなるほどなぁと思いました。
どの会社に依頼しようかと迷った時、こちらから何か頼み事をしようと思うのは、営業マンの人柄だったりします。
もっと言うと、いつも何かを頼みたくなる営業マンは、例え他の会社へ転職したとしても、その営業マンへ依頼しますね。それを考えると、会社っていうのはそれほど大きなウエイトをしめているわけではなくて、まずは人なんだなぁと思います。
逆に、会社が変わったら誰からも話がこなくなっては悲しすぎます。これって、営業マン以外でも考えておいたほうが良い内容ですね。例えば、会社の役職を取っ払った時、それでも周りの人は自分を必要としてくれるかどうか。会社の名前に頼りきっていると、切ないことになりそうです。
なぜか好かれる人は結論を語らない
本から引用
話を聞いた結果、たとえ僕が100%自信がある解決策を思いついたとしても、相手から請われない限り、絶対に語りません。
(中略)
コンサルタントとしてやるべきことは、結論を語ることではなく、社長やクライアントが選びたいほうを後押しすることです。それが僕の仕事です。その結果が失敗に終わったとしても、本物の経営者であれば、決して僕を責めることはありません。
この考え方は、ようやく最近になって同じことを感じはじめました。
今まではどちらかと言うと、自分が正しいと思う方向に持っていこうという思いが強かったんです。なにか相談を持ちかけてきた相手に対して、自分だったらこうする、という内容を伝えて、そのとおりに行動したほうがいいとアドバイスする。そうするべきだと思ってました。
でも、最近になって、やっぱり違うと思うようになりました。
この本の著者である野呂さんが言っているとおり、相手が望む方向にいけるようにするだけでいいんですよね。もちろん、自分が考えうるいくつかの提案はしても構わないと思います。それは、自分だったらこうする、ではなくて、こうやったらこうなります、でも、別の方法ならこうなります、というカタチで、いくつかのパターンを提示しておいて、判断はあくまで本人にしてもらう。
極端な話、自分のほうが相手よりも圧倒的に経験があって、相手の選択が明らかに失敗すると分かっていたとしても、本人がやりたいのであれば、それを後押しするべきなんです。
失敗してもそれでいい。
いや、失敗するからこそいいんです。
自分で失敗するからこそ、本当の意味でその人の糧となるのだと思います。
なぜか怒られない人は必ず直接会う
本から引用
でも、トラブルが発生したり、相手に謝らねばならない場面では、どんなに忙しくても必ず時間をひねり出して、直接会うことにしています。
これ、本当に大事ですね。
僕の経験上からも、なんでか許してしまう人って、例外なく直接謝りに来ます。それもすぐに。
ガツンと言ってやろうと思っていても、会って話をしだすと、まぁいいかと許してしまう人っているんですよね。
そこまでいくのには、単に直接謝るだけでは足りないとは思いますが、でも少なくとも、すぐに謝りに行けば相手の怒りは最小限で済むのは間違いありません。謝りべたな人はこっぴどく怒られたりしますが、時間が経ってから行くよりも全然よいです。
なぜか怒られない人、すぐ怒られる人の法則
本から引用
- 僕ならまず、開口一番「これから◯◯さんに、極めて厳しい話をしなければなりません。」と「予告」します。
- アポをつける電話で、「今回は、価格面でかなり厳しいご相談をしなければなりません。」と予告しておきます。
引用部分の前後が長いので、2つの例を一部分だけ引用しました。つまりは、「言いにくい事を伝える時には、いきなり結論を言わない」ということです。
予告をしたすぐ後に結論は伝えるのですが、その数秒だけでも相手は心の準備ができるとの事です。
これ、僕は反省すべき内容です。僕は結構ズバリと言ってしまっていました。
「仕事上の報告は、まず結論から」というのがずっと頭にあったものですから、結論を言った後に詳細を話すという方法をとっていたのです。
でも、確かにこれは相手からすればキツイですね。なんでもかんでも効率的に報告しようとしていたのが間違いでした。
こういう具体的な例は、自分の振る舞いを改めるのにとても参考になります^^;
総評

何気に手にとって購入した本だったのですが、今の僕には非常に参考になりました。
僕は去年から自分自身を改革しようとしている真っ最中なのですが、僕が向かおうとしている方向とこの本に書いてある「自分を貫かないこと」という内容は、同じ方向のように思えます。
確固たる自分を持つことは大事なのですが、それを相手に押し付けてはいけない。それを実践するための考え方がこの本には書いてあったのです。
ですので、今このタイミングでこの本を読めたのはラッキーだったかもしれません。
やっぱり本って、すばらしい。
というところで、今日はここまで。