本日は書評です。
読んだのは、西任暁子さんの著書『話すより10倍ラク!聞く会話術』。
最近は会話に関する内容に興味がありまして、続けて同じようなジャンルの本を読んでいます。
こちらの本もとても興味深い内容が書いてありました。
相手を好きになることから始める
内容的には、タイトルどおり、「自分で話すのではなく、相手の話を聞く」というスタンスです。
人って、やっぱり自分の話を聞いてほしいんですよね。
そして、自分という人間を理解して受け入れてほしいんです。
自分の事を喋りたくない人もいることはいますが、でもそれは、本心を喋って嫌われたくないという思いからではないでしょうか。
何を話してもすべて受け入れてくれるのだとすれば、そんな人でも嬉しく思って話すのだと思います。
著者である西任さんも、こうおっしゃっています。
男であれ女であれ、話すときに相手にまず求めるのは、わかってもらうことです。話をちゃんと聞いてもらえて、否定せずに受け入れてもらえて、頭と心でわかってもらえることを望んでいるのです。
でも、これって言うほど簡単じゃないのですよ。
例えば、相手が延々と自分の話しかしない人だった場合、それをずっと聞き続けることってできますか?
できたとしても、それは楽しい会話でしょうか。
「あなたがどう思っているかなんて興味ないよ。」と思ったことはありませんか?
僕はあります。
自分の興味がない話を延々とされてしまうと、早く終わらないかなぁと感じてしまうものです。
そういう場合、どうすればいいのでしょう。
そのヒントが書いてありました。
西任さんが言うには、相手を好きになることがスタートだと言うのです。
そして、どうやって相手を好きになるのかという方法を書いています。
そこで、私はすべてのゲストの方を好きになることにしました。 具体的には、会った瞬間に、好きなところをひとつ見つけるのです。
(中略)
たとえ一部でも「心から好きだ」と思うと、相手は好かれていると感じます。そして自分に好意を持ってくれるあなたに対して、同じように好意を覚えるのです。
(中略)
“とりあえず聞く”温度の低い質問ではなく、“心から知りたい、聞きたいと願う”温度の高い質問こそが、相手の話す意欲を引き出します。
これ、僕にとっては目から鱗でした。
本心からいいと思える場所だけと見て、そこを褒める。質問する。
お世辞を言ったって、一時的に場はもつかもしれませんが、ウソをついているわけですから自分も辛くなりますし、無理がでてきます。
でも、本当に良いと思える場所だけに集中することができれば、それは本心で言っている事なのですから、とても自然ですし、なによりそういう思いは相手に伝わります。
どんな人でも、良いところはあります。
そこに気づけるかどうか。
会話ってやっぱりまずお互いが楽しくないと続きませんし、そもそも楽しくない会話は辛いだけです。
仕事の話は別ですけれどもね。
なので、楽しく会話できるように、相手に全てを委ねるのではなく、質問をしたりして自分が興味のある話題へ持っていく。
その時に、相手の「良いと思えるところ」について話題にできると、お互いに楽しく会話ができるかもしれません。
楽しく話せるようになるには、まず相手を好きになる。
好きになるために第一歩は、「本心で好きな一部分のみ」を見るようにする。
なるほどなぁ、と思いました。
耳の痛い一文
褒め下手な人は、慣れていないだけです。 褒め下手な人は、他人だけではなく、ふだん自分のこともあまり褒めていません。
(中略)
でも自分に厳しい人は、他人に対しても同じように厳しくなります。「これくらいはできて当たり前」という高い基準を相手にも求めてしまうのです。相手は自分の写し鏡なのです。
これ、本当に耳が痛いです。
振り返ってみると、僕は自分を褒めることってあまりありません。
相手を褒めるには、自分も褒めることが大事なのかもしれませんね。
では、どうやって褒めればいいのか。
具体的な方法がいくつか紹介されています。
- 褒めどころはずばり、「人と違うところ」です。
- 初対面でない場合は、「変化」に着目します。「いつもと違うところ」を探してください。
- 質問褒めは、褒めて相手の心を開き、さらに質問の答えも引き出せるすごい技なのです。
- なにかいいことを言おうとする必要はありません。元気が出た。嬉しくなった。気分が明るくなった。そんなシンプルな言葉でいいのです。
こうやって文章で見ると、確かにそのとおりに思えますね。
まずはこういった内容で、自分自身を褒めていく事から始めることで、周りの人も自然と褒められるようになるのかもしれません。
そして、一番大事なのは「本心からいいと思った事を言うこと」。
これって、単に「良いと思ったことを素直に口にする。」ということなのかもしれません。
いや、ちょっと違うか。
まずは、「意識して」良いところを探すところがスタートですね。
最初は「意識する」ことが大事。
人って、意識していないモノは、見えているようで見えていないんですよね。
信号機の赤黄青の並び順をはっきり覚えていないのと同じで、まずは見ようとしないと気付く事すらできない。
まずは「自分自身の良い所を意識して探した上で、客観的に褒めてみる。」って事から始めてみることにします。
最後に
この本を読んで一番参考になったのは、「本心から」良いと思った部分に着目するというアプローチ方法。
そして、この方法の凄いところは、自分にウソをつかずに自然体でできる事です。
根っこの部分は何も変えず、今の自分のまま、やり方だけ少し変えればいい。
これなら、もしかしてできるかも、と思えます。
人が変わっていくのは中々難しいことですが、自分には無理だ、と思っちゃったら変われないんです。
でも、もしかしたらできるかも、と思うことができれば、それが「変わること」へのスタートになります。
自分を変えようとしている僕にとっては、とても参考になる内容でした。
あとがき

最近は「話し方」に関する本を続けて読んでいるのですが、やっぱりいろいろ読むと参考になります。
1冊読むだけでは得られなかった「問題を解決するヒント」が書いてあったります。
自分を変えたいと思った時などは特に、そういうヒントこそが、自分が本心から納得できる「理由づけ」になるんですよね。
読書ってすばらしい。
というところで、今日はここまで。