au系の格安SIMサービスである「mineo」が、2015年9月からドコモ網にも対応するというニュースです。
これは一般ユーザー向けでは、業界初の試み。
格安SIM業界も、次のステージへ進み始めているということかもしれません。
とにかく、情報を整理してみます。
マルチキャリアMVNOとは?
サービスの内容は、ケィオプティコムのプレスリリースよりも、こちらの記事が分かりやすいです。
参考リンク: mineoがドコモ回線を9月より提供 - ケータイ Watch
ちなみに、ケィオプティコムのプレスリリースはこちら。
参考リンク: 携帯電話サービス「mineo(マイネオ)」NTTドコモ回線を利用したプランの提供開始について|プレスリリース|ケイ・オプティコム
おおまかな特徴は以下のような感じ。
- SIM契約時に au回線かドコモ回線かを選択できる。
- キャリアを変更するには、SIMの再発行と手数料が必要。
- 複数SIM契約であるファミリープラン等は、auとドコモでの容量シェアが可能。
1つの会社が2つの回線を扱うという意味でマルチキャリアという事ですね。
つまり、1つのSIMで利用できる回線は、auかドコモのどちらか1つだけです。
SIM契約をすれば、au回線でもドコモ回線でも自由に切り替えて使えるわけではありません。
これはちょっと残念。
せめて月単位でプラン変更できれば嬉しかったのですが、さすがに一気にそこまではいけなかったですね。
ですが、SIMの再発行なしでのキャリア変更も、将来的には目指しているようですので期待したいところです。
なので、ユーザー視点から今回の発表を理解すると、『iOS8に対応していなかったmineoでも、ドコモ回線を選択することで iPhoneが利用できる』ということに留まるようですね。
キャリアを自由に切り替えるメリットは?(妄想)
今回のサービスでは実現しませんでしたが、もしもキャリアを自由に変えられるとしたら、どう便利なのでしょうか。
「もしそうなったら?」という仮の話ですが、ちょっと想像してみます。
▶月単位でプラン変更が可能な場合
・au回線では iOS8が使えないので、iPhoneに機種変更した場合にドコモ回線を使えば良い。
・MVNOでは時期によって通信速度が上下するので、より負荷の低い回線を選択して利用できる。
▶リアルタイムで最適キャリアを自動選択してくれる場合
・月単位変更では、変更したら失敗だったという可能性があるが、こちらではその心配なし。
・Androidであれば、auとドコモで負荷が軽いほうが選べるので、より快適に使用できる。
・SIMフリー端末の対応バンドを、ユーザーが意識する必要がなくなる。
という感じでしょうかね。
SIMロック解除が本格的にはじまれば、端末のロックはなくなるので、どこのキャリアの端末であるかは大きな問題ではなくなります。なので、一番のメリットは、場所による「繋がりやすさ」や「電波強度」を選択できるようになるのが大きいと言えるでしょうか。
「地方はドコモがいいわ〜。」とかがなくなるってことです。
ただ、ケータイWATCH様の記事を読む限りでは、こういう本当の意味でのマルチキャリアMVNOが実現するには、キャリア側の設備開放が必要なようです。キャリア側にメリットがある話には思えないので、実現するかどうかは微妙かもしれないですね。
その他にもmineoの新規サービスが発表されてます
▶最低利用期間の撤廃
これまではデータSIMも音声SIMも、違約金がありましたが、2015年7月1日(木)よりMNP転出手数料のみになります。
つまり、他社同様、データSIMに関しては違約金がなくなったということですね。
▶mineoアンテナショップの設立
2015年7月中旬にJR大阪駅前の大型商業施設「グランフロント大阪」内の「ナレッジキャピタル」にmineoアンテナショップをオープンするとの事。
実店舗の存在はユーザーにはありがたいですね。分からないところは聞きながら契約できますし、即日MNPにも対応してもらえそうですね。
まぁ、mineoはネット購入でも実質即日MNP出きるのですが、あまり詳しくない人には敷居が高いでしょうから、やっぱりありがたいでしょう。
過去記事: 「mineo」は実店舗がなくても即日MNPできるという事実を知りました。 - いつもマイナーチェンジ!
あとがき

マルチキャリア対応は、IIJが法人向けにやっていたので、IIJが一番乗りかと思っていたのですが予想がハズレました。
今回の発表自体はユーザー側には大きなメリットはありませんが、業界としては一歩一歩、新しい道を進んでますね。
今後、本当の意味でのマルチキャリアが実現すれば、ユーザーとしては嬉しい限りなのですが、つい先日、KDDIの田中社長がMVNOに対して「あまり増えないほうがいいな、と思う」という本音を漏らしてました。
そういう事を考えると、今以上にMVNOが発展するのは中々大きな壁があるようにも思ってしまいます。
総務省様、ファイトー!
というところで、今日はここまで。